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認知獲得型 vs コンバージョン型キャンペーン|事業フェーズで切り替える設計論
目次
いつもご覧いただき、ありがとうございます。
運用支援の窓口の角田です。
今回は広告の話を書いてみます。
私自身、自社D2Cブランド「Fresk」を始めたばかりの頃、
「広告に出すんだから、ちゃんと売上が返ってこなきゃ意味がない」
と、本気でそう思っていました。
予算を入れたら、その分のコンバージョンがすぐ返ってくる。
それが「正しい広告運用」だと、信じていたんですね。
しかし、です。
半年も経たないうちに、見えない天井にぶつかりました。
予算を増やしても、CV数が伸びない。
CPA(顧客獲得単価)も悪化してくる。
「これは、コンバージョン型一本では届かない領域があるんだ」
そう気づくまでに、それなりに授業料を払いました。
なので今回は、私が自社運営の中で痛い目を見ながら整理してきた、
「認知獲得型」と「コンバージョン型」の使い分けを書いてみたいと思います。
ちょっと自慢っぽくなる場面もあるかもしれませんが(笑)、
中小・零細企業の側に立った視点で書いていきますので、
お付き合いいただけたら嬉しいです。
「認知獲得型」と「コンバージョン型」の違いとは

まずは、専門用語の整理から。
広告キャンペーンの設計には、大きく2つの方向性があります。
これ、ちょっと脱線するんですが、
私は音楽一家の生まれで、子どもの頃からギターを弾いてきました。
それで思うんですね。
広告って、ライブと同じだなと。
初対面のお客さんに、いきなり一番深い曲を聴かせても、響かない。
「あ、この人の音、ちょっと気になる」
まずそう思ってもらう一曲があって、
そのあとで深い曲がやっと届く。
広告も、たぶん同じ構造をしています。
認知獲得型キャンペーン
目的は、自社・ブランドを「初めて知る人」に届けること。
KPIは、リーチ数、視聴完了率、ブランド検索数の増加など。
媒体は、Meta広告(特に動画)、YouTube広告、TikTok広告、ディスプレイ広告。
要するに「気にしてもらう」段階の広告ですね。
コンバージョン型キャンペーン
目的は、いま課題を抱えていて、解決策を探している顕在層からCV(成約)を取りに行くこと。
KPIは、CV数、CVR、CPA。
媒体は、Google検索広告、Yahoo!検索広告、ショッピング広告、リターゲティング。
こちらは「もう買う気の人」を刈り取りにいく段階の広告です。
多くの企業がやってしまうのは、立ち上げ初期からコンバージョン型に100%振り切ってしまうこと。
そもそも「誰にも知られていない」状態で、CVを取りに行こうとしているわけです。
これ、過去の私がそうでした。
「広告 = 売上を取る装置」と決め込んでいたんですね。
事業フェーズ別の判断軸
ここからが、本題です。
広告は、事業フェーズによって「いま打つべき型」が変わります。
私の中では、ざっくり3つのフェーズに分けて考えるようにしました。
認知ゼロ期(立ち上げ初期)
商品もブランドも、誰にも知られていない段階。
ここで検索広告だけに頼っても、そもそも「指名検索」自体がゼロなので、CVは伸びてきません。
このフェーズは、認知獲得型に予算の60%以上を振るべきだ、というのが私の今の結論です。
Freskの立ち上げ初期、私は予算の8割をInstagram動画広告(認知獲得型)に振りました。
「Fresk」というブランド名を、ターゲット層の頭の片隅にでも置いてもらうことを最優先にしたんですね。
当時の私から見れば、それは「売上の出ない広告」に見えていたかもしれません。
しかし、いま振り返ると、あの3ヶ月があったから、その後の検索広告が機能し始めたんだと感じています。
認知形成期
ブランド名が少しずつ知られ始め、指名検索が月数十件発生する段階。
ここで、認知獲得型とコンバージョン型を50:50で並行運用していきます。
「知ってもらう」と「刈り取る」を、同時に回すフェーズ、というイメージです。
認知確立期
ブランドが業界内・地域内で認知され、指名検索が月数百件〜になる段階。
ここからは、コンバージョン型に予算を寄せていって良いと考えています。
認知獲得型は、維持運用(少額)に切り替えます。
ここまで来てようやく、広告は「投資」から「収穫」の比率が高まっていきます。
認知獲得型の効果を「数字で見る」方法

「認知獲得型は効果が見えないから、やりたくない」
これ、よく聞きます。
私自身も、最初はそう思っていました。
しかし、見える指標は、ちゃんと存在します。
ブランド検索数(指名検索数)
Google Search Consoleで、自社ブランド名の検索数を、毎月追ってみてください。
認知獲得広告を打ち始めて2〜3ヶ月後、指名検索が少しずつ増えていれば、効果は出ています。
数字に出る前に、人の記憶の中で動いている。
それが認知獲得型の本質だと、私の中では定義づけています。
ダイレクト流入数
Google Analyticsで、ダイレクト流入(URLを直接入力 or ブックマーク)の数を追います。
これも、認知獲得広告の「遅効性」を測る指標です。
すぐには動かない。
しかし、確実に積み上がっていきます。
アシスト効果(多媒体経由のCV)
GA4のアシストコンバージョン機能で、
「最初に接触した広告は認知獲得型」「最後にCVを生んだ広告は検索広告」
という流れを可視化できます。
これ、地味なんですが、見ると驚きます。
「あ、検索広告がCVを取れているのは、その前に認知広告を見てくれていたからだ」
と、はっきり数字で見えるんですね。
失敗例:認知獲得型を「やった気」で終わらせる罠

ここまで読んで、「よし、認知獲得型もやってみよう」と思っていただけたかもしれません。
しかし、認知獲得型には、私自身がはまった罠もあります。
正直に共有します。
リーチ数だけ追って、ターゲット精度を見ない
「100万人にリーチしました!」
そう聞いて、満足してしまうのは、けっこう危険です。
そのうち、自社の本当のターゲット層が何%含まれているか。
年齢・性別・地域・興味関心の精度を確認しないと、それはただの予算消化になります。
「人は、感情で動き、論理で正当化する」と言いますが、
そもそも感情を動かしたい相手に届いていないと、意味がないんですよね。
クリエイティブが「広告然」としすぎる
認知獲得型では、「広告に見えない、ストーリー性のあるクリエイティブ」が刺さります。
商品スペックを並べた広告は、認知段階の人には弱い。
「興味のない人の指は、すでに次のコンテンツを探している」
くらいのつもりで、設計する必要があると感じています。
Freskの初期動画広告は、
「商品名を最後まで出さない」
「冒頭はストーリーで惹きつける」
という設計にしていました。
ちょっと自慢っぽく書いていますが(笑)、これはハマって、効きました。
3ヶ月以内に判断してしまう
認知獲得型は、効果が現れるまでに3〜6ヶ月かかります。
1ヶ月で「効果が出ない」と止めてしまうのは、早計です。
これは、過去の私が一番やっていた失敗でもあります。
「結果が出ないなら止める」のは経営者として正しいスタンスのようでいて、
時間軸を読み違えると、せっかく芽が出かけていた認知を、自分の手で抜いてしまう。
そういう怖さがあります。
「認知獲得型 × コンバージョン型」の連動設計
最終的に目指したいのは、認知獲得型とコンバージョン型を「連動」させる設計です。
ここからは、私が自社で実際に回している連動パターンを書きます。
認知広告 → 検索広告
Meta動画広告でブランドを認知させ、
そのあとGoogle検索広告で、指名検索を刈り取っていきます。
Freskで、この設計を回したところ、
検索広告のCVRが、約1.8倍に改善しました。
「同じキーワードの検索広告でも、認知を経由しているかどうかで成約率が変わる」
という事実は、地味だけれど、面白いと感じています。
認知広告 → リターゲティング
Meta動画広告を視聴したユーザーに、後日コンバージョン型のリターゲティング広告を配信します。
動画視聴率50%以上のユーザーへのリターゲティングは、
CPAが新規ターゲティングの1/3になることもあります。
これも、自社の現場で何度か再現しました。
「動画を最後まで見てくれた人」というのは、それだけで強い信号なんですね。
認知広告 → SEOコンテンツ
動画広告で興味を持ったユーザーに、
SEO上位のオウンドメディア記事で深い情報を提供する。
コンテンツで信頼を作ったうえで、その後CVに繋げていきます。
「信頼 = 警戒していない状態」だと、私の中では定義づけています。
そして、警戒を解くにはやはり、コンテンツの方が広告より強い、という実感があります。
地方中小企業が認知獲得型を活用する現実的なアプローチ

「認知獲得型は予算が必要だから、地方の中小企業には無理」
そう思われがちですが、私はそうは思っていません。
工夫すれば、月数万円からでも、十分に機能します。
地域絞り込みで月数万円から
地域を「金沢市・白山市・野々市市」のように狭く絞れば、
月3〜5万円のMeta広告でも、十分なリーチが取れます。
地方ローカルビジネスは、この戦略との相性がかなり良いです。
「地方は不利」と語られがちですが、
実は「狙う範囲が狭い」という、強い武器でもあるんですよね。
業種特化セミナー型コンテンツの活用
「金沢の●●業向け/無料セミナー」のような、業種特化セミナーを認知広告で告知し、
参加者をそのまま見込み客リストに育てていく。
このやり方は、1件あたりの「認知 → 商談」までの効率が、極めて良くなります。
地方で生きていく以上、私たちはこういう「狭く、深く」の戦い方を磨いていくしかない、と感じています。
総括|「認知 vs CV」は、事業フェーズで使い分ける
ここまで、長く書いてきました。
最後に、もう一度だけ繰り返します。
すべてのキャンペーンをコンバージョン型で組むと、見えない天井にぶつかります。
事業フェーズに応じて、認知獲得型とコンバージョン型を組み合わせていく設計が、
これからの広告戦略の主流になっていく、と私は考えています。
私自身、まだ正解にたどり着いたとは思っていません。
しかし、自社のお金で何度も失敗してきたぶん、人さまの広告予算で同じ失敗を踏ませない自信は、少し付いてきました。
「うちの会社は、いまどのフェーズだろう?」
そんなふうに気になった方は、まずは無料相談で、頭の整理からご一緒できればと思います。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
今後とも、宜しくお願い申し上げます。