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WordPress一択でいい?ホームページのCMS選定で本当に見るべき5つの軸
いつもご覧いただき、ありがとうございます。運用支援の窓口の角田です。
「ホームページのCMSは何がいいですか?」――。このご質問への一般的な答えは、「WordPress一択ですよ」となりがちです。実際、世界のWebサイトの約4割がWordPressで構築されている、というデータもあります。
ただ、本当に「すべての」中小企業様にとって、WordPressが最適なのでしょうか。私の中では、答えはNoです。事業の規模、運用体制、必要な機能。このあたりによって、最適なCMSは変わってくる、と私は考えています。
今回は、私たちが複数のCMSを実際に使い分けて運用してきた経験から、中小企業様のCMS選定で見るべき5つの軸を、なるべく率直に書いてみたいと思います。
主要CMSと、それぞれの得意領域

「WordPress一択」という言い回しは、半分正しくて、半分間違っている、と私は感じています。事業のフェーズと、社内の運用体制と、3年後にどうしたいか――この3つで選び分けるのが、私の中で定義づけているCMS選定の正解です。
フェーズや体制を見ずに「とりあえずWordPress」で決めてしまうと、運用が回らずに数年後にリプレイス、という事業者様は、本当に多いです。CMSはサイトの「構造」を支える土台ですから、ここの選定は丁寧にやってください、と毎回お伝えしています。
WordPress
得意:オウンドメディア、コーポレートサイト、ブログ運用、SEO対応
苦手:EC(プラグイン依存)、高度なデザイン自由度(テーマ依存)
料金:CMS自体は無料。サーバー代月1,000〜3,000円〜
Wix
得意:個人事業主、シンプルなサービスサイト、ノーコード対応
苦手:大規模サイト、高度なSEO、データのエクスポート性
料金:月1,000〜3,000円程度
STUDIO
得意:デザイン重視のコーポレートサイト、デザイナー単独制作
苦手:複雑な機能、ECやMyページ機能
料金:月1,000〜2,500円
Shopify
得意:ECサイト、D2Cブランド、定期購入
苦手:コーポレートサイト機能、ブログSEO
料金:月3,000〜10,000円+決済手数料
BASE / STORES
得意:個人ECスタート、低コスト立ち上げ
苦手:規模拡大時の機能拡張性、独自SEO最適化
料金:月0〜3,000円+販売手数料
Webflow / Framer
得意:デザイン自由度、海外向けサイト
苦手:日本語対応、国内SEO情報の蓄積
料金:月2,000〜10,000円
CMS選定で見るべき5つの軸

では、具体的に何を見て選べばいいのか――。私が普段ご相談の中で必ず確認している5つの軸を、順にお話しします。
将来の「拡張性」
いま必要な機能だけでなく、3年後・5年後に追加で必要になるかもしれない機能を、頭に描きます。
例えば「いまはコーポレートサイトだけだけど、いずれオンラインショップを始めるかもしれない」というケース。WordPress+WooCommerceなら拡張が可能ですが、STUDIOだとECは別ツールに移行する必要があります。3年後の自分を、いまの選択が縛ってしまわないか――この視点は本当に大切だと感じます。
「SEO対応」の深さ
SEO(検索エンジン最適化)で本気に勝ちたいなら、メタタグ、構造化マークアップ、サイトマップ、内部リンク、パンくず、URLカスタマイズなどが、自由にできる必要があります。
これらの自由度では、現時点でWordPressが頭一つ抜けて強いと感じています。Wix、STUDIO、Shopifyにはどうしても制約が残ります。
「運用負荷」
誰がサイトを更新するのか。社内に技術者がいらっしゃらない場合は、コードを書かずに更新できるノーコードCMS(Wix、STUDIO)が向いている、と判断します。WordPressは更新自体は簡単ですが、メンテナンス(アップデート、セキュリティ対応)に一定の知識が必要、というところは見落とせません。
「初期コスト vs ランニングコスト」
WordPress:初期制作費は高め(50万円〜)、月額は安い(数千円)。
Wix/STUDIO:初期制作費は安め(10〜30万円)、月額は中程度(1,000〜3,000円)。
Shopify:初期制作費は中程度、月額が高め+決済手数料。
3年トータルのコストで比較すると、規模によって最適解が大きく違ってきます。「初期だけ安い」に飛びつくと、結果的に高くつく場合もある、ということです。
「データ・コンテンツの所有性」
CMSサービスがサービス終了した場合、あるいは他のCMSに乗り換えたい場合、データを移行できるかどうか。これは、地味ながら長期で効いてくる論点です。
WordPress:データは自社サーバーにあり、エクスポートも自由。所有性は最も高い。
Wix、STUDIO:プラットフォーム依存。エクスポートには制限があり、悪い言い方をすれば「人質状態」になるリスクが残ります。
Shopify:商品データはエクスポート可能。デザイン部分は独自形式。
長期運用で最も安心なのは、データを完全に自社所有できるWordPress型だと、私は考えています。
業種・事業規模別のおすすめCMS

あくまで私はですが、ご相談を伺った中での「だいたいのお勧め」を業種別に整理してみます。
BtoBサービス、士業、コンサル:WordPress一択
SEO重視、ブログ運用、コーポレート機能の柔軟性が求められる領域。ここはWordPressが圧倒的に有利だと感じます。
店舗ビジネス(飲食、美容、整体):WordPress または STUDIO
SEOで本気に勝ちにいくならWordPress。「シンプルで綺麗なサイトが欲しい」というご要望だけなら、STUDIOでも十分機能します。
D2C・自社EC:Shopify が第一候補
ECに特化した機能(決済、配送、定期購入、在庫管理)が標準装備されています。コーポレート部分はShopify内で吸収するか、WordPressと併用する設計でカバー可能です。
余談ですが、私たちも自社D2Cブランド「Fresk」をShopifyで運営しています。EC専業ならではの機能の使いやすさは、運営しているとじわじわ実感するところです。
個人事業主、ハンドメイド販売:BASE / STORES または Wix
低コストで素早く立ち上げたい場合の選択肢。規模が拡大したら、Shopify等へ移行する想定で設計するのがいいと思います。
デザイン重視のクリエイティブ業:STUDIO または Webflow
デザイナー様ご自身で制作されるなら、デザイン自由度の高いノーコードCMSが向いています。
「WordPress一択」と言われがちな理由
多くの制作会社様が「WordPress一択」とおっしゃる背景には、それなりの理由があります。
制作会社側の技術蓄積
WordPressは20年以上の歴史を持ち、制作会社の技術蓄積が圧倒的です。トラブル対応や機能追加で困りにくい。
プラグインのエコシステム
WordPress用のプラグインは無数にあって、ほぼ全ての機能要件に対応できます。フォーム、SEO、SNS連携、EC、会員機能、本当に何でも揃います。
SEO情報の蓄積
WordPress×SEOの知見は、日本語圏でも世界でも圧倒的。困った時に「答え」が見つかりやすい、というのは大きな利点です。
これらは事実ですし、私自身もWordPressを推す場面の方が、結果として多いです。ただ「だから全員WordPressでいい」とは限らない、というのが大事な但し書きだと感じています。事業特性で判断する。これに尽きます。
失敗例:CMS選定で後悔したパターン
BtoB事業者がWixを選んで、SEOで苦戦
「安く早く立ち上げられる」という理由でWixを選択された、金沢のBtoB企業様。半年後、検索順位が思うように上がらず、機能拡張の制約も大きく――。1年後にWordPressへの全面移行を決断され、追加で150万円の費用が発生してしまいました。
EC事業者がWordPress+WooCommerceで苦戦
「ECもWordPressでできますよ」と言われてWooCommerceで構築されたケース。ただ、商品数が増えるにつれてサイトが重くなり、決済処理でのトラブルも多発。半年後にShopifyへ移行されました。EC事業者様は、最初からShopifyの方が結果として楽、というのが私の経験則です。
実体験:私たちのCMS使い分け

私たちソラノデザインで運用している複数の事業サイトの中身を、少しだけご紹介します。
- ソラノデザイン公式・弊社:WordPress(コーポレート+ブログSEO)
- Fresk(自社EC):Shopify(EC機能特化)
- クライアント様向けサイト:基本WordPress、デザイン重視ならSTUDIO提案も
「すべてWordPress」ではなく、事業特性に合わせて使い分けている――これが、自分たちで運営してみて辿り着いた現実的な答えです。ちょっと自慢のように聞こえてしまったかもしれませんが、ここは胸を張ってお伝えしたい部分でもあります。
まとめ|CMSは「事業特性 × 拡張性 × 所有性」で選ぶ
「WordPress一択」は、多くの場面で正解ですが、絶対ではありません。事業特性、3〜5年後の拡張ニーズ、データ所有性。この3つを総合的に判断したうえで選ぶべきだと、私の中では結論づけています。
もう一度だけ繰り返したい言葉があります。CMSは「いまの便利さ」ではなく「3年後の自分を縛らないか」で選ぶ――。ここを意識するだけで、選定の解像度は一段上がります。
細かい話は実際の事業ごとに変わってきますので、もし気になる論点があればお気軽にご相談ください。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。今後とも、宜しくお願い申し上げます。